『小幅続落。主力株は見送りで、小型株に物色の矛先が向かう。』
日経平均は26円安の10,141円で引けた。
米国株は小動きではっきりとせず、手掛かり材料も乏しかったことから、寄り付きは様子見ムードが強く、きのうの終値付近で小安いスタートとなった。
円相場、とりわけ対ユーロで円高が進み(1ユーロ=109円台後半〜半ば)、主力の輸出関連を中心に売りが出て、徐々に下げ幅を広げていった。
「中国人民銀行が週内に利上げに踏み切る」との観測が伝わり、中国・上海株が安く寄り付いたことから、前引けにかけては中国関連株に利食い売りが嵩み、10,100円を割り込む場面もあった。
その後、上海株が下げ渋ったことや、昼間のバスケット取引が買いやや優勢(約826億円成立)と伝わり、後場寄りは幾分下げ幅を縮小して始まった。
ユーロ安・円高が一服していたことも安心感を誘い、13時過ぎには、きのうの終値まで戻りを演じたが、さらに上値を追うほどの買い手掛かりもなく、プラスに転じることはなかった。
精密のほか自動車・電機など輸出関連がきのうに続き指数の重石となったほか、石油、鉄鋼や金融関連も総じて軟調で、値下がりは570銘柄だった。
一方、パルプ紙・電気ガスなど円高メリット株や建設・サービス・倉庫など内需関連が全般確りで、値上がりは926銘柄。昨日同様、指数の値下がりにも拘らず、値下がり銘柄数よりも値上がり銘柄数は多い。
引けにかけては小安い水準での上げ下げとなり、結局、1日の値幅は73円で、連日小幅な値動きに留まっている。
出来高は17億2000万株、売買代金は1兆2000億円と、きのうよりは多少膨らんだ。
指数の日足を見ると、主力株の弱さを反映して、日経の3日足はTOPIXに先んじてブルー転換、明日の先読みは両指数揃ってブルーと目先上値の重たさを示している。
右欄6色分布図や増田レシオでも、主力株を多く含む日経がやや悪化しているのに対して、東証1部全体を網羅するTOPIXは改善が続いており、循環物色がうまく回転しているように見える。